「無垢と突板、どちらがいいですか?」
打合せの中で、そう聞かれることが、時々あります。
ただ、お話を伺っていると、
じつは「どちらが上か」を探しているように感じることがあります。
「高級に見せたい」という思いから、その質問が出てくるのだと思いますが、
そのたびに少しだけ、「上・下」で考えることに、違和感を覚えます。
インテリアの素材は、競争するものでも、優劣を決めるものでもないはず。
無垢と突板は、
どちらが正解か、ではなく、
“どんな暮らしに合うか”で考えていい素材だと、私は思います。
今日は、「質感」と「メンテナンス」という視点から、
無垢と突板を、上下ではなく、向き・不向きの違いとして整理してみます。
無垢と突板を「比べる」と、迷いが深くなる理由
「無垢と突板、どちらがいいですか?」
そうした質問の背景には、
「より良さそうな方を選びたい」
「失敗したくない」
そんな気持ちがあるのだと思います。
ただ、
上か下か、正解か不正解か、という考え方で比べ始めると、
かえって迷いが深くなってしまうことも多いように感じます。
インテリアの素材は、
テストで点数をつけるようなものではなく、
暮らしの中で“使い続けていくもの”。
だからこそ、優劣で並べるより、
向き・不向きで考えたほうが、判断はずっと楽になります。
質感の違いは、「触ったとき」より「付き合い方」
無垢と突板の違いとして、
よく挙げられるのが「質感」です。
たしかに、無垢には無垢らしい手触りがあり、
突板は表情が比較的均一です。
でも大切なのは、
その質感を、ひと目見たときにどう感じるかよりも、
そこに住むあなたが、日々の暮らしの中で、どう受け止め続けられるか。
だと、私は思うのです。
無垢は、季節や時間とともに、少しずつ表情が変わっていきます。
その変化を
「味わい」として受け取れる人もいれば、
「気になる」と感じる人もいます。
一方、突板は、見た目の印象が安定しやすく、空間の雰囲気を保ちやすい素材です。
どちらが良い・悪いではなく、
どう付き合っていきたいか。
そこが分かれ道になります。
メンテナンスは、手間より「気持ちの負担」
メンテナンスについて、
無垢は大変、突板はラク、
といった説明をされることがあります。
でも実際には、手間の多さそのものより、
その状態をどう感じるかのほうが、大きいように思います。
汚れたとき、
傷がついたとき。
「直せる」「戻せる」と思えるのか、
それとも
「気になってしまう」「見たくない」と感じるのか。
同じ出来事でも、
人によって、心の負担は違います。
無垢は、変化を前提にした素材。
突板は、状態を安定させやすい素材。
どちらがラクか、ではなく、
どちらのほうが、気持ちが疲れにくいか
そんな視点で考えてみるのも、
一つだと思います。
無垢が向いている人、突板が向いている人
無垢が向いているのは、
完璧な状態を保ち続けたい人、というより、
変化を受け止められる人。
突板が向いているのは、
妥協している人ではなく、
空間の印象を安定させたい人。
どちらも、
ちゃんとした選択です。
「高級そうかどうか」
「どちらが上か」
ではなく、
自分の暮らし方に、無理がないかどうか。
そこに目を向けていいと思います。
無垢と突板は「優劣」じゃない
無垢と突板は、比べて勝ち負けを決める素材ではありません。
迷ったときは、
「続けられる方」
「気持ちの負担が軽い方」
を選んでいい。
それは、逃げでも妥協でもなく、
暮らしに合った、立派な判断です。
素材を選ぶことは、自分の暮らし方を選ぶこと。
無垢か、突板か。
どちらが正解かではなく、
どちらが、あなたの毎日に合っているか。
そんな視点で、
素材選びをしてもらえたらと思います。
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