素材偏愛シリーズ vol.2|タイルの「表情」を決めるのは表面仕上げ

素材偏愛シリーズ

 

インテリアをつくる上で欠かせない素材のひとつ、タイル。
その魅力は、色や形の多様さだけでなく、“質感”の豊かさにもあります。

同じ白いタイルでも、マットな仕上げとツヤのある仕上げでは、受ける印象がまるで違います。
光の反射、手触り、そして空間全体の雰囲気――
それを決めるのが、タイルの「表面仕上げ」です。
 
今回は、タイルの表情を左右する3つの仕上げ、
マット/グロス/テクスチャーの特徴と、空間との合わせ方についてご紹介します。

✦ 素材偏愛シリーズ ✦
素材の魅力を、インテリアコーディネーター目線で少しマニアックに語る連載です。
今回は「素材偏愛シリーズ vol.2」で、タイルの表面仕上げに注目します。

 

タイルの“仕上げ”とは?

タイルの表面には、釉薬の種類や焼成方法によってさまざまな仕上げが施されています。
この仕上げが、タイルの見た目や触れたときの感触、メンテナンス性を左右します。

たとえば、

  • 光をやわらかく吸収する「マット」
  • 反射で明るさを生む「グロス」
  • 凹凸で立体感を出す「テクスチャー」

どれを選ぶかで、空間の印象は驚くほど変わります。
色やサイズを決めるときと同じように、「質感」もインテリアにおいて大事な要素になります。

 

マット仕上げ|落ち着きと自然な温もりを感じる質感

マット仕上げは、光をやわらかく受け止め、落ち着いた印象を与えます。反射が少ないため、空間全体が穏やかで上品な雰囲気に。

木やリネン、石などの自然素材との相性がよく、ナチュラルモダンや北欧テイストにもぴったりです。
また、水滴や指紋が目立ちにくいので、洗面やトイレなど水まわりにもおすすめ。

ただし、照明が少ない場所ではやや重たく感じることも。
その場合は、温かみのあるダウンライトや間接照明を合わせてあげると、質感がより引き立ちます。

マット仕上げは、光沢を抑えた落ち着きのある質感が特徴。
やわらかな光を受けて、空間に穏やかな雰囲気をもたらします。

ちなみに、同じマットでも製法によって質感はさまざま。
*釉薬でマット感を出したものはしっとりとした質感、**無釉タイプはよりナチュラルで素朴な風合いになります。

タイル マット仕上げ

💡ワンポイント:
マットならではのやわらかさを生かして、木やファブリックなど自然素材と組み合わせると、落ち着いた空間になります。

*釉薬(ゆうやく)とは、タイルの表面にかけるガラス質の膜のこと。光沢を出したり、汚れをつきにくくしたりする役割があります。マット仕上げの場合でも、釉薬の種類や焼き方によって、しっとりとした質感が生まれます。
**無釉(むゆう)とは、釉薬をかけずに焼きあげることで、素地そのものの風合いが活かされます。

 

グロス仕上げ|明るさと華やかさを添えるツヤ感

グロス仕上げは、表面にツヤを持たせた光沢のあるタイプ。光を反射することで、空間を明るく・広く見せる効果があります。

清潔感があり、見た目にも高級感を感じさせるため、モダンスタイルとの相性も抜群。

一方で、指紋や水跡が目立ちやすいという面も。
使う場所や照明の位置を工夫すれば、日々のお手入れもぐっと楽になります。
照明との組み合わせ次第で、空間の印象をより洗練されたものに。

タイル グロス仕上げ ツヤあり

💡ワンポイント:
間接照明やブラケットライトの光を反射させると、グロスの美しいツヤが際立ちます。

 

テクスチャー仕上げ|陰影と素材感で個性を引き出す

テクスチャー仕上げは、表面に凹凸をつけた立体的なデザイン。
光が当たる角度によって陰影が生まれ、空間に豊かな表情をもたらします。

単色でも存在感があり、アクセントウォールや玄関ポーチなど印象をつくりたい場所におすすめ。
自然光やダウンライトや間接照明の光があたると、凹凸の陰影が際立ち、壁面に豊かな立体感が生まれます。

ただし、凹凸の深いタイプはホコリがたまりやすいため、使用場所とメンテナンス性のバランスもポイント。

💡ワンポイント:
壁の上部から光を斜めに当てると、立体感がいっそう引き立ちます。

グロスは光を反射して“面”で見せ、
テクスチャーは凹凸によって“線”で光を返します。
この違いが、同じ空間でも印象を大きく変えます。

 

仕上げを“感覚”でなく“印象”で選ぶ

タイルの表面仕上げは、単なるデザインの違いではなく、空間の印象を大きく左右します。
同じ白でも、マットは落ち着き、グロスは華やかさを、テクスチャーは奥行きを生み出します。

大切なのは、「好き」よりも「どう見せたいか」で選ぶこと。
明るく見せたいのか、落ち着かせたいのか、素材感を強調したいのか――
その印象を意図して選ぶことで、理想の空間にぐっと近づきます。

 

✦✦✦✦

タイルは、仕上げひとつで“空気のまとい方”が変わる素材。
手に触れたとき、光が揺れたときの表情まで、ぜひ味わってみてください。
仕上げの違いを知ることで、空間づくりの楽しさが一段と広がります。

次回は「素材偏愛シリーズ vol.3|タイル目地について」をお届け予定です。
30日頃の公開を予定していますので、お楽しみに。

 



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