家づくりやリフォームの打ち合わせで、つい“なんとなく”で決めてしまいがちな金物(かなもの)。
でも、ドアのハンドルやタオルバー、照明の金属部分は、じつは空間の印象をぐっと引き締めたり、雰囲気をやわらげたりと、インテリアスタイルを左右するキーアイテムです。
前回の金物の記事では「素材別」に質感の違いを解説しましたが、今回は ナチュラルモダン、スタイリッシュモダン、ホテルライク、和モダン などの代表的なインテリアスタイルごとに、
金物の「色」「仕上げ」「デザイン」をどう選べばいいか、整理していきます。
あなたの暮らし方・好みに合ったスタイルにぴったりの金物を選べば、小さなパーツでも「選んで良かった」と感じられる空間になりますよ。
■ インテリアスタイルと金物の関係
金物は面積としては小さくても、毎日手にふれたり、視線が自然と向いたりするもの。
そのため、金物のデザインや質感は「空間の印象に思った以上に影響するパーツ」 なんです。
たとえば同じオークの建具でも、
・取っ手が真鍮なら、ナチュラルで温かみのある表情に。
・黒マットなら、モダンでシャープな印象に。
スタイルが変われば、それに“合う金物の色・素材・形”も変わります。
ここからは代表的な4つのスタイルごとに、金物選びのポイントを整理していきます。
■ スタイル別|金物の選び方
① ナチュラルモダン
明るい木目 × 柔らかい空気感 が特徴のナチュラルモダン。
素材の温かみを大切にしながら、軽やかで飽きのこない印象にまとめたいスタイルです。
■合う金物の色・素材
- シルバー系(ヘアラインステンレス)
- 真鍮(マット・ヘアライン)
金物は“光りすぎない落ち着いた質感”がおすすめ。木の質感と自然に溶け込み、ほどよいアクセントになります。
■形状のポイント
- 柔らかい曲線
- 細すぎない“ほどよい存在感”
- 角が立ちすぎないデザイン
■注意したいこと
- 鏡面クロームや強いブラックは“浮く”ことがある
- あまりにシャープすぎる金物はナチュラル感を損なう
② スタイリッシュモダン
ウォールナット・グレー・ダークトーン × シャープな直線 が特徴。
空間をキリッと引き締めたいスタイルなので、金物も“線の細さ”や“マットな質感”が決め手に。
■合う金物の色・素材
- ブラック(マットブラック)
- ダークブロンズ
- クローム(鏡面はアクセントに)
■形状のポイント
- 直線的
- スリム
- フラットな面構成
黒マットはスタイルとの相性が良く、建具・家具・照明とのつながりが美しく決まります。
■注意したいこと
- 黒は指紋やホコリが目立ちやすい
- 多用しすぎると“重く”見えることも
→ 扉・照明・タオルバーなど、使う場所にメリハリを
③ ホテルライク
上品さ・光沢・素材のコントラスト が主役のホテルライク。
金物は“キラリとした質感”がアクセントになり、空間に華やぎとリッチさをプラスします。
■合う金物の色・素材
- クローム(鏡面)
- 真鍮(鏡面・光沢のある仕上げ)
- ゴールド系
- 黒×ゴールドのコンビネーション
■形状のポイント
- 少し装飾が入ったものもOK
- 面の美しさが感じられるデザイン
- 直線+曲線の組み合わせも合う
■注意したいこと
- 光沢が多すぎると“ギラギラ感”が出る
- 水回りは指紋・水垢がつきやすいため掃除のしやすさも要確認
“少し取り入れる”だけでも雰囲気が一気にホテル仕様になります。
④ 和モダン
和の落ち着き × モダンの軽さ が調和するスタイル。
自然素材(和紙・木・石)に馴染む“控えめだけれど存在感のある金物”が鍵になります。
■合う金物の色・素材
- 真鍮(古色・アンティーク調)
- ブロンズ系
- ブラック(マット)
■形状のポイント
- シンプルなバー型
- 握り玉よりフラットなデザイン
- 引き戸の引手は“線の細さ”が美しい
■注意したいこと
- 鏡面仕上げは雰囲気を壊しやすい
- ブラックを使う場合は面積を抑えて“引き締め役”に
和モダンは“静かなかっこよさ”が魅力なので、金物は目立ちすぎない仕上げが◎
■ 金物選びで失敗しないためのチェックポイント
最後に、どのスタイルにも共通するポイントをまとめます。
① 金物は「素材 × 色 × 仕上げ × 形状」で決まる
金物の印象は、この4つの組み合わせで決まります。
- 素材(真鍮・ステンレス・アイアン など)
- 色(ゴールド・シルバー・ブラック)
- 仕上げ(マット・鏡面・ヘアライン など)
- 形状(直線的・曲線的・細い・厚みがある など)
どれか一つが突出すると、スタイルと合わず浮いてしまうことも。
建具や家具、照明との“トーンを揃える” ことを意識すると、統一感のある空間に仕上がります。
② 床・建具・家具との相性を見る
金物だけで選ぶのではなく、空間全体の素材との相性を見ておくことが大切です。
- オークなどの明るい木 → 真鍮やステンレスのヘアラインが馴染みやすい
- ウォールナットなど濃色の木 → 黒マットやダークブロンズが引き締め役に
- グレーの建具 → ブラックやクロームと相性が◎
床・建具・家具の“基準色”に合わせて金物を選ぶと、まとまりが生まれて失敗しにくくなります。
③ 異素材ミックスは“配分”が大事
同じ空間は、一つの素材で統一した方が整えやすいですが、
たとえば「黒 × 真鍮」など 2種類の金物 を組み合わせる場合は、“どちらを主役にするか” を決めておくのがおすすめ。
- 真鍮をアクセントにして、黒をベースにする
- 逆に、黒をメインにして、真鍮は引き締めとして少量にする
このように “使う量と配置のバランス” を整えることで、異素材でも空間がちぐはぐにならず、美しくまとまります。
④ 経年変化×メンテナンス性もチェック
素材によって“変化の仕方”も“お手入れのしやすさ”も違います。
- 真鍮 → 使うほどにくすみや色の深みが出る(経年変化を楽しめる)
- クローム → 指紋がつきやすいので水まわりは注意
- 黒マット → ホコリが目立ちやすい
どの部屋に使うのか(洗面・キッチン・玄関) によっても、適した素材は変わります。
デザインだけで選ばず、暮らし方にも合うかどうかをチェックしておくと安心です。
■ おわりに
金物は小さなパーツですが、スタイルによって選ぶものが変わる大事なポイント。
建具・床・照明・家具とのバランスを整えながら選ぶことで、「暮らしにしっくり馴染む空間」 が自然と仕上がっていきます。
仕様決めの途中で迷ったときは、“今の家のスタイルに合うかどうか?”という視点で金物を見てみてくださいね。
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