造作収納の仕上げ素材、どう選ぶ?|メラミン・ポリ・突板・無垢、それぞれの特徴と選び方

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造作収納とは、空間や暮らしに合わせてオーダーでつくる収納家具のこと。
既製品の収納家具とは違い、壁面や天井の高さにぴったり納まり、素材や色も自由に選べるのが魅力です。キッチン背面収納や洗面台、TVボード、玄関収納など、家のあちこちで活躍しますね。

そんな造作収納で意外と迷うのが、「仕上げ素材をどうするか?」という点。メラミン・ポリ合板・突板・無垢など、素材によって見た目・コスト・お手入れのしやすさが変わります。

この記事では、インテリアコーディネーターの視点から、それぞれの特徴と選び方のポイントをわかりやすくまとめました。理想の空間づくりの参考にしてください。

 

① 造作収納の「仕上げ素材」とは?

造作収納の仕上げ素材とは、表面に見える“仕上げ層”のこと。扉や棚板、引き出しの前板などの「見える部分」に使われる化粧面材のことです。ベースとなる下地(基材)に、メラミンやポリなどの化粧面材を貼ったり、突板や無垢材に塗装を施したりして仕上げます。
同じデザインでも、仕上げ素材の選び方で印象がまったく違って見えるため、インテリアテイストに合うものを選びたいところです。

 

② メラミン化粧板|耐久性とデザイン性を両立した万能素材

キッチンや洗面台などでも使われる「メラミン化粧板」は、樹脂を含浸させた紙を高温高圧でプレスした強化素材。キズ・汚れ・水分・熱に強く、毎日使う収納にも安心して使えます。

また、デザインバリエーションが豊富で、木目柄・石目柄・抽象柄・単色など多彩です。

おすすめの場所: キッチン・洗面室・リビング収納・TVボードなど
メリット: 高耐久・デザイン豊富、お手入れが簡単
デメリット: 表面が硬く、角や小口面の仕上げにやや継ぎ目が出やすい
注意点: 硬くて加工性が低いため、細かな曲面には不向き

 

③ ポリ合板(ポリエステル化粧板)|コスパ重視の軽やか素材

ベースとなる基材にポリエステル樹脂のフィルムを貼ったもの。メラミンよりもやや柔らかく、コストを抑えたいときの定番です。

安価なものは”白ポリ”と呼ばれるもので、清潔感のある仕上がりに。
クローゼット内部、サイド収納などの負荷の少ない収納場所に向いています。

おすすめの場所: 寝室のクローゼット・パントリー・サニタリー収納など
メリット: 軽くて安価、施工しやすい
デメリット: 表面が傷つきやすく、耐熱性が低め
注意点: 高温・高湿度に弱く、角が欠けやすいので水がかかりやすい場所には不向き

 

④ 突板仕上げ(+塗装)|天然木の風合いを生かした上質な印象に

突板とは、天然木を0.2〜0.6mmほどの薄さにスライスし、基材に貼ったもの。
本物の木目の美しさを楽しみながら、反りや割れを抑えられるのが特長です。

木目や色合いが本物の木そのものなので、空間に温かみと高級感をもたらします。

おすすめの場所: リビング収納・TVボード・玄関収納・書斎など、質感を重視したい空間に。
メリット: 天然木の質感を楽しめる、デザイン性が高い
デメリット: 価格がやや高い、衝撃や水分に弱い
注意点: 経年変化により、小口面から小さく割れたり剥がれたりすることがあり、深い傷がつくと下地の合板が見えてしまうことも

 

⑤ 無垢材仕上げ(+塗装)|素材の存在感を楽しむこだわり派に

無垢材仕上げは、天然木そのものを使った仕上げ。
木のぬくもりや香り、経年変化など、素材そのものの表情を存分に楽しめます。

おすすめの場所: リビングやダイニングの見せる収納・造作カウンター・飾り棚など
メリット: 天然木の質感を楽しめる、経年変化で味わいが増す、一点もの(木目や色)である
デメリット: 汚れやシミがつきやすい(塗装による)、価格が高い、衝撃や水分に弱い
注意点: 湿度変化による反りや割れが起こることがあり、定期的なメンテナンスが必要

 

⑥ 塗装仕上げ|素材の表情と扱いやすさを左右するポイント

突板や無垢材など、木の仕上げには「塗装」が欠かせません。
見た目や触り心地だけでなく、メンテナンス性にも大きく関わる部分です。

  • ウレタン塗装: 表面を樹脂でコーティングし、ツヤと耐久性が高い。水や汚れに強く、日々のお手入れがラク。
  • オイル塗装: 木の内部にオイルを浸透させ、自然な質感と手触りを活かす仕上げ。水シミや傷がつきやすく、経年変化を楽しめるが、定期的な再塗装が必要。

塗装によって印象が変わるため、「扱いやすさ」重視ならウレタン、「風合い」重視ならオイルを目安に選ぶとよいでしょう。

塗装をすることで、若干、色が変わります。気になる場合には、現物に塗装したサンプルの用意が可能かを施工会社に確認してみてください。

※この説明はナチュラルに仕上げるクリア塗装についてのものですが、クリア塗装以外にカラー塗装もあります。

 

⑦ 素材選びのポイント|「使う場所」と「見せたい印象」で選ぼう

仕上げ素材を選ぶときは、「使う場所の条件」と「見せたい印象」の2つを意識することが大切です。以下、条件とおすすめ素材です。

  • 水や熱がかかる → メラミン
  • コスパ重視 → ポリ合板
  • 高級感や温かみを出したい → 突板・無垢
  • メンテナンスを楽にしたい → ウレタン塗装仕上げ

 

⑧ 迷ったら、「どこを見せたいか」で決めてみよう

例えばリビングなら「扉は突板で、内部はポリ」のように、見える部分と見えない部分で素材を使い分けましょう。
すべてを高価な素材にしなくても、視線が集まるところにだけ本物感を出すことで、全体のバランスが整います。

 

まとめ

造作収納の仕上げ素材は、見た目のデザインだけでなく、毎日の使いやすさも大切です。同じ収納でも、素材を変えるだけで“空気感”が大きく変わります。
「使う場所」「触れる頻度」「見せたい印象」を整理して選ぶことで、長く心地よく使える収納に。
ご自身のライフスタイルやインテリアテイストに合わせて、ぴったりの仕上げ材を見つけてみてください。

 

 



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あなたの「ぼんやりした理想」を、ぴったりのカタチにするお手伝いをします。

  


 


 

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